福智山(900.6m)  福岡県


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出発地の鱒淵ダムと奥に架かる鱒淵橋

  
 


 
 
ダム湖畔のカエデ


マユミ 後方は鈴ヶ岩屋


ツルウメモドキ


七重の滝の上流と登山道


復路で出会った土石流の跡


2009年11月27日

 登山計画は北九州市小倉南区の鱒淵ダムから、七重の滝を経て山頂へ。帰りは、鈴ヶ岩屋の北側を下るルートを下って出発地点に戻る予定である。

 鱒淵ダムから福智山に登るルートは3本あるが、今年7月の豪雨で登山道が傷み、この3本は現在もなお通行止めとなっている。しかし、登山道の状況を把握する必要が出てきたために、歩いてみることにした。

 ネットの情報では、今回のルートを歩くことは可能なようであるが、途中で危険な場所に出会えば、引き返す心づもりで出発する。

 ダムの堰堤を通り、ダムの中ほどに架かる鱒淵橋を渡って、サイクリングロードを南西へ進む。ダム湖のほとりではカエデが鮮やかに色づいてちょうど見頃。
 出発地点から2kmほどのところでサイクリングロードと七重の滝へのルートが分岐する。分岐点の道標にそって、七重の滝へ向かう。

 分岐点からすぐのところでは、流失した登山道が土嚢で補強されて復元されている。しばらく登ると、七重の滝の手前で橋が流されているところに出会う。幸い流水は少なく、流れを渡るのに支障はない。しかし、水量が多いときは注意が必要だ。

 七重の滝では、幅が広い滝や落差の大きい滝が次々に現れる。滝のそばでは、カエデが黄色く色づいて、秋の風情を醸している。
 滝のそばに架かる橋の上には、豪雨で運ばれた土石が20cmほどに堆積していて、豪雨の凄さを物語っている。

 七重の大滝を過ぎたところでも橋が流失しているが、水深は浅く流れを渡るのに支障はない。

 七重の滝を過ぎると傾斜は緩くなる。流れに沿ってしばらく登ると、山瀬越・尺岳方面への分岐点に着く。分岐点から、道標にそって豊前越へ向かう。傾斜は次第に急になるがたいしたことはなく、やがて豊前越に着く。

 出発地点から豊前越までに、登山道や橋が傷んでいたのは3カ所、七重の滝のすぐ上までであった。
 この日は、登山道の傷んだところや橋が流されたところ通過するのに支障はなかったが、渓流が増水しているときは、渡渉が困難になることもある思われる。

 豊前越は尺岳と福智山の稜線上にあり、鱒淵ダムと直方市の内ヶ磯を結ぶ峠である。豊前越からは、稜線を福智山へ向かう。稜線上の登山道は自然林の中を通り、吹きわたる風が爽やかだ。
 
 稜線を登っていくと、やがて烏落しに着く。この峠からは、鱒淵ダムへ下る「ホッテ新道」が通じており、直方市側へは、大塔ノ滝を経て内ヶ磯への登山道が通じている。

 烏落しから稜線を福智山へ向かう。途中には山小屋を兼ねた避難小屋「荒宿荘」があり、豊富な水量の水場「たぬき水」もある。避難小屋の奥には、2006年に設置されたバイオトイレ「山ぼうし庵」もあって休憩するのにちょうど良い。

 避難小屋から、急坂をひと登りで山頂に着く。山頂は、今にも雨が降り出しそうな曇行きで、眺望は今ひとつ。

 山頂から、鱒淵ダムをめざして鈴ヶ岩屋方向へ下る。ススキの中をしばらく下ると、自然林になる。登山道は、山腹から尾根に出て谷へ下る。谷筋は豪雨で荒れているところもあるが、歩くのに大きな支障はない。しばらく下ると、先ほど通過した烏落しへ通じる分岐点に着く。

 さらに下ると、やや規模の大きい土石流の跡に出会う。この土石流も7月の豪雨によって起きたようだ。土石流の跡は安定をしてきているようで、その上を横断する踏み跡ははっきりしている。しかし、降雨中やその直後は十分な注意が必要であると思われる。
 復路で登山道が大きく傷んでいたのは、この土石流跡の一か所だけである。

 しばらく下ると、往路で通過したサイクリングロードに出会い、そこからは往路と同じ道を歩いて出発地点に戻った。
 この日歩いた距離は14.9km、所要時間は5:55であった。
 
流された橋が架かっていたところ


七重の滝


七重の滝 大滝



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