奥座向 おくざむき (1240.0m) 熊本県


A 1414m峰山頂


2009年6月7日

 八代市泉町久連子の日添林道から岩茸越(いわなばごし)〜A峰を経て山頂へ。帰りは山頂から北東へ延びる尾根を下って出発地点に戻った。距離は9.7km、所要時間は5:45であった。

 この山は旧泉村と五木村の境にあり、以前は久連子の人たちによってコバ作(焼き畑)が行われていたそうである。
 奥座向の登山道に関する情報は全く得られなかったが、地形図から検討をつけて歩いてみることにする。ただ、昨年12月20日にはA峰と奥座向の中間あたりまで歩いていたので、今回はその続きである。

 出発時の目標は、奥座向までである。奥座向から先は、歩くことができる状況であれば周回するが、濃いヤブなどで歩くことが困難な事態になれば、無理せずに引き返すつもりである。

 登山口は、前回と同じ久連子神社の横から続く林道日添線沿いの広場である。実質的な登山口は林道の終点であり、僅かな駐車スペースもあるが、林業の作業車が動いていることもあるので、林道の終点には駐車をしないほうがよい。

 駐車地点から林道を終点まで歩き、その先から山道に入る。道標はないが、目印に沿って登る。最初の堰堤は右から越え、次の堰堤は左から越える。しばらく登ると沢の合流点に着く。そこで地形図の破線の道と分かれ、東側の尾根に取り付く。尾根の中心に出るまでは急坂で落石を起こしやすく、注意が必要だ。

 尾根に出てからはほぼ尾根伝いに登り、積岩山と岩茸越を結ぶ稜線に出る。目印はここまで付いていて、そこから先は積岩山の方向へ続いている。

 稜線の出会い地点から岩茸越方向へは、目印も踏み跡もない。明瞭な稜線を岩茸越へ向かう。石灰岩が露出していてやや歩きにくいが、樹木に妨げられることはない。

 岩茸越は小さな鞍部である。その昔、岩茸越は重要な生活道で、峠には通行者の安全を願って地蔵様が祀られていたそうである。その地蔵様を前回に続いて探してみるが、今回も見つけることはできない。地図のGPS軌跡が丸くなっているのは、地蔵様を探した軌跡である。

 岩茸越からA峰へ向かう。A峰は、地元で山名の変更が検討されている山で、新たに積岩山と命名される見通しである。現在地形図にある積岩山は、無名になるか別の名前が付けられることになりそうだ。

参考 五家荘地域の山名の検討状況
「五家荘ねっと」
http://www.gokanosyo.net/index.html
(泉・五家荘登山道整備プロジェクトからのお知らせ)
http://www.gokanosyo.net/guide/project/html/tizu_kaitei_1.html
(地図改訂依頼予定の内容)
http://www.gokanosyo.net/guide/project/html/tizu_kaitei_A.html

 A峰には石積みの上に土が載ったおまんじゅう型の高まりがあり、そこには生えていた灌木の伐り株が数本残っている。おまんじゅう型の高まりは何を意味するのかは分からないが、GPSと地形図で位置を確認して、そこがA峰と分かるように写真の赤テープを巻いた。

 A峰から奥座向を目指す。想定をしているルートは尾根伝いであるが、
A峰からは主尾根が南西方向回り込むように延びているので、この主尾根に進まないように注意する。奥座向へは、A峰から北西方向に延びている尾根に入る。ここはコンパスを当てて、進行方向を正確に見極めることが肝要だ。

 奥座向への尾根は数年前に刈り払われたようで、腰の高さにアセビが連なるがスズタケは全て枯れていて、歩くのに支障はない。尾根の中心を外さないように進むが、途中から自然林がヤブ状になり、尾根の中心を進むのは困難になる。そのあたりから、尾根の西側がヒノキ林になり、ヒノキ林と自然林の境を進む。しばらく進むと尾根筋は歩きやすい若い自然林になり、尾根に沿って下りながら進む。

 なおも下ると、少し開けたところに突然出合う。そこには三角点があり奥座向の頂とすぐに分かるが、念のため、GPSで地形図上の位置1240.0m峰であることを確認する。

 奥座向の頂では、久連子へ向かって下るか引き返すか、地形図を見ながらあたりの状況を観察する。すると、林床に灌木はなく、すっきりしていて歩くのに支障はなさそうだ。

 奥座向からは、北東方向と北西方向に2つの大きな尾根が延びている。久連子集落へ向かうには、北東方向へ延びる尾根を利用するのが良さそうである。

 山頂では、地形図にコンパスを当てて進む尾根を見定める。しかし、自然林の中で見通しが利かず確信がもてないので、少し下りながら二つの尾根双方を確認する。

 その確認行動の跡がGPSの軌跡に残っている。奥座向のすぐ北で一旦北西に進んで北西への尾根を確認してから、あらためて北東へ延びる尾根へ向かった。この僅かな動きがGPSの軌跡に表われている。

 北東へ向かう尾根筋のスズタケも全て枯れていて、下るのに支障はない。途中では尾根が次々に派生していて、気づくと支尾根へ進んでいることがあり、その都度ルートを修正しながら主尾根に戻る。尾根筋には自然林や人工林が入れ替わり現れる。

A 1414m峰付近の自然林


経路概念図 クリックで拡大


葉の縁に朝露が並ぶフタリシズカ


奥座向へ向かう稜線


オトシブミ(揺籃)


奥座向の山頂


ホウノキの若葉


奥座向きから久連子へ下る尾根の自然林


スギゴケ


久連子集落の上部に出たところ
伐採後の若い植林地
下の方に人家が見えて一安心



ドウダンツツジ


若い植林地の縁で見つけた杣道


ツクバネウツギ

久連子川の支流 車道に出る手前の渡渉点


マルミノヤマゴボウ


車道に出たところ 
手前が久連子神社




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