コウノトリの郷公園  兵庫県豊岡市

 

2009年5月7日

 県立「コウノトリの郷公園」を訪ねた。しかし、この日は連休明けで休み。仕方なく、周辺の野生復帰公開ゾーンを歩いてみた。

 公園では2005年に試験放鳥が行われ、現在では十羽を越えるコウノトリが公園の周辺で野生復帰の訓練を受けている。

 餌場は周辺の田んぼ。地域の農家の協力で、イネなど農作物の農薬を減らして、餌となる魚やカエル、昆虫などを殖やす取り組みも行われている。
 
 コウノトリは大きくて、ツルと見間違えるほど。
 給餌場のたらいに小魚が入れられると、一番にやってきたのはアオサギ、続いてシラサギ、そしてトビである。トビは高い空から急降下して、タッチ・アンド・ゴー。一瞬の早技で、小魚を数匹わしづかみにして飛び去った。

 彼らがひとしきり食べた後、数羽のコウノトリが舞い降りてきた。残った魚を食べるのは、その内の一羽だけ。他のコウノトリは、たらいのそばを歩き回るばかりで餌を食べる気配はない。

 訓練中のコウノトリは、他の野鳥に比べて餌を獲得しようとする執念に乏しく、心もとない。

 人に育てられたコウノトリが、自然界の競争の中で生き抜くためには、まだまだ多くの時間と特訓が必要なようである。



  

たたらいの餌を次々に食べるのはシラサギ、
コウノトリはそばで見ているだけ



たらいの魚をわしづかみ
にして飛び去るトビ


 

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