古処山(859.5m) 福岡県


ホソバナコバイモ

 
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秋月から見た古処山


2009年3月25日

 朝倉市の秋月キャンプ場から紅葉谷、ツゲの原生林、屏山との鞍部を経て山頂へ。帰りは馬攻めから八丁越ルートへ周回した。距離は9.0km、所要時間は3:50であった。

 この日の目当ては、春の妖精ホソバナコバイモの花。林道沿いでは、早くもシャガの花やシロバナネコノメソウが咲き始めている。

 渓流に沿って登っていると、ミソサザイの透き通るような声が盛ん響いてくる。
 この鳥は、黒っぽい茶色をしていて、目にする機会は少ないが、この時期だけは別である。出っ張った岩の上や倒木の上に乗って上を向き、口を大きく開いてさえずるので、時々目にすることができる。
 体はスズメより小さく、日本では最も小さい鳥の一つ、と言われるが、森中に響くような大きな声でさえずるのは、恋のエネルギーがそうさせるのであろう。

 牛岩の先で、紅葉谷ルートへ入る。急坂を登り傾斜が緩やかになったところが古処山の山城跡(曲輪)で、平らに整地された跡が数段続いている。

 ツゲの原生林では、2週間前に比べて葉色が一段と濃くなってきたように見える。よく見ると、緑色をした小さな花も咲き始めている。

 屏山との鞍部で稜線に出会い、山頂へ向かう。風は冷たく、時折粉雪が舞う。
 寒い中、けなげにもホソバナコバイモの花が次から次へと咲いていて、嬉しくなる。
 この清楚で小さな妖精は、古処山に春の到来を告げる花でもある。

 山頂からは、馬攻めを経て稜線を西へ向かう。途中ではアセビの白い花が満開で、アブラチャンの花も咲き始めている。

 一旦国道に出て500mほど南西へ下った所から、八丁越への古道に入る。古道には、苔むした石畳が残り、通行者の安全を見守る古い石仏も祀られていて、その歴史が偲ばれる。

 ツバキの花が落ち始めた渓流沿いの古道を下り、だんご庵を経て出発地点に戻った。

 下山後、朝倉市旧杷木町にある夕月神社のサクラを見に行った。
 花は満開の少し前であったが、美しく咲いている。参道には、竹で作った灯籠が無数に並べられていて、ろうそくの明かりに映し出される古風な夜桜も見てみたいものである。




コショウノキ

 
 
シキミ

  
マムシグサ

  

ヒサカキ


ヤブツバキ


シロバナネコノメソウ


セントウソウ

 
フウロケマン
 

アセビ

 
ツゲの花


アブラチャン

  
ヒメオドリコソウ

 
シャガ




ヤマザクラ


クサイチゴ

 
 
ムラサキケマン


オドリコソウ

 

水量が豊な渓流

 
サツマイナモリ

 

 ウマノアシガタ

 
ワサビ

朝倉市 夕月神社の桜並木

 




 


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