五家原岳(1057.3m)〜中岳(1000m)〜多良権現峰(996m)〜前岳(982.7m) 長崎県


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駐車場から見た五家原岳


咲き誇るマンサク


 2009年3月7日

 大村市黒木の登山者用駐車場から、標記4座を経て西野越へ周回した。距離は16.5km、所要時間は8:30であった。

 今日の目当ては、マンサクの花。駐車場からは、これから目指す五家原岳が聳えて見える。市道と林道を歩いて、最初のチェックポイントである横峰越へ向かう。

 林道の途中にある道標から登山道に入り、渓谷に沿って登る。緑の苔は、春の光に包まれてみずみずしく、渓流の水は、ほとばしるように勢いよく流れ下っている。

 しばらく登ると林道に出会い、数十メートル先でまた登山道に入る。谷を詰めると横峰越である。横峰越からは、稜線を五家原岳へ向かう。

 自然林の急坂をしばらく登ると、たくさんのアンテナが立つ五家原岳に着く。
 山頂からの展望は360度、ぐるーっと一周見渡せる。北には多良山系の主峰経ヶ岳、東にはこれから向かう多良岳、そして西には大村湾に長崎空港が浮かんで見える。

 急坂を下り中岳へ向かう。鞍部から一登りで中岳の山頂である。一息入れて多良岳を目指す。
 小さなアップダウンを繰り返し、西野越を過ぎると金泉寺はすぐそこである。金泉寺ではたくさんの登山者が憩い、話に花を咲かせている。

 金泉寺から多良岳へ向かう。階段を上り、胸突き八丁の急坂を登り終えると多良権現峰の頂は近い。稜線の北側から、目当ての黄色い花が目に飛び込んできた。黄色いマンサクの花は、今を盛りに咲き誇っている。山頂では、たわわに花をつけた枝が目の高さに張り出している。
 顔を近づけると、蕾のなかで縮こまっていた花びらが、待ちわびた春を喜ぶかのように、自由奔放に伸び出しているように見える。

 多良権現峰からは舞岳へ向かう予定であったが、山頂で出会った登山ガイドブックの著名な執筆者の方から、前岳への稜線からの展望が素晴らしいことを教えていただいた。そこで、まず前岳へ向かうことにする。

 急坂を下り、登り返した所にある大岩の上に立つと、先ほど歩いてきた五家原岳から中岳、そして北西には経ヶ岳が圧倒的な山容を見せている。つい先ほど頂きに立ったばかりの多良権現峰の北斜面には、マンサクの花が黄色い霞のように見える。

 前岳からは途中まで引き返し、稜線の南斜面に祀られている六地蔵へ向かう。地蔵は大きな岩壁に添うように祀られ、説明板によると、江戸時代中期の作とのことである。

 多良権現峰への往路に出合ったところで時計を見ると、時間がかなり下がっている。当初予定していた舞岳を経て下山すると、途中で日が暮れそうである。そこで、予定を変え西野越から下山することにする。

 金泉寺を経て西野越まで引き返し、そこからは馴れた道を下る。途中にあるキツネノカミソリの大群落は、地面を埋め尽くすように若葉が伸び始めている。林道に出ると、アオモジの白い花が、遠く近くに視界から消えることなく続き、その満開のアオモジを道連れに、出発地点へ戻った。

多良権現峰斜面のマンサク


はずしてやりたい鉄の板
野鳥の釣り糸と同じように
取り付けたのは?



ほとばしる春の渓

 

五家原岳から見た大村湾に浮かぶ長崎空港


多良岳から見た雲仙平成新山と話題の潮受け堤防


シャクナゲのつぼみ


六体地蔵


芽吹く満開のアオモジ


シキミ

 
アオキの実




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