一夜畑 いちやばたけ (1229m) 熊本県


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山頂の境界石
 
  
中腹の林床


2008年12月24日

 この山はその昔、男女が集まって一夜の契りを結ぶ場であった、と言われている。地形図に山名はなく、標高が記されているだけの山である。

 山都町(旧矢部町)の鴨猪川(かもししがわ)林道の支線から山頂を往復した。距離は9.5km、所要時間は5:30であった。

 山都町囲(かこい)集落から鴨猪川林道に入り約2.7kmで菅第1号橋を通過する。その橋の100m先、地図のA地点で林道が分岐しており、右の支線に入る。
 この分岐を右折せずに直進すれば、天主山への登山口に至る。

 A地点から先は、バレーボールからこぶし大の落石が点々と続き、B地点までに車を6回止めて落石を取り除く。

 A地点から約2kmのB地点で林道が分岐するが、ここは林道を道なりにC地点まで進み、林道の膨らみに駐車する。この膨らみは木材の集積場跡で、数台分の駐車スペースがある。

 Cから林道を戻る方向に歩き始め、Bで分岐している林道の支線へ入る。途中のD地点で林道はさらに右へ分岐しているが、そこは分岐に入らず直進方向に進む。

 しばらく進むと、林道の終点Eに着く。E地点は少し広くなっていて、車のUターン場所であるが、数台の駐車は可能である。
 このE地点までは、道幅の狭いところや少々の落石はあるが、注意をすれば車の進入はできそうである。

 E地点からは、広場の手前右側のガレ場を電気柵に沿って登る。電気柵の柱には目印が付いていて、目印は山頂まで続いている。
 F地点までは、電気柵に沿って進む。F地点は人家の跡もあるが、林立する樹木に付けられた目印を見落とさないように進む。

 すぐ先で、道幅2〜3mほどの作業道に出る。作業道を横切って小さな尾根に上がる。
 尾根はしばらくの間作業道に沿っていて、少し先で尾根を分断している先ほどの作業道を横切る。ここから山頂までは、尾根上の山道である。

 この尾根は山頂へ続く主尾根で、途中で幾つもの支尾根が分岐する。間違って、これらの支尾根へ進まないように注意する。
 進行方向が変わるところは、目印が二重、三重に施してあり、地図と目印の方向を慎重に確認しながらら進む。

 踏み跡は判然としていないが、よく見ると灌木が人の幅に切り取られている。途中には登山道とは異なる古い杣道や木馬道が幾つもあるので注意が必要だ。

 中腹からは、林床に雪が現れ始める。なだらかな登山道が急坂に変わると山頂は近い。

 急坂をゆっくり休まずに登る。しばらく登ると傾斜が急にゆるみ、山頂である。

 山頂に山名の標識はなく、あるのは山林の境界を示す三角点に似た石の標柱だけである。

 山頂は自然林の中で、眺望はなく、積雪は5cmほど。冷たい北風が吹き渡るなか、珍しい山名に思いを巡らせながら帰路についた。
 

標高が低い所の登山道


しばらくは電気柵に沿って進む


ブナの実の殻


イノシシが餌をあさった跡


アカガシの大木


キツネの足跡


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地図のB地点 林道分岐点