水無山(700.6m)〜川原山 かわばるやま(736m) 福岡県


川原山から見た左、前原市〜右、福岡街地と玄界灘


右、水無山から左、前原山への稜線
 
経路概念図 クリックで拡大

 

2008年11月22日

 前原市の川原集落から、山の神林道が南へ延びている。今回は、その林道の途中から歩いて標記2座を周回した。距離は7.0km、所要時間は4:15であった。
 なお、これらの山は近くの山も含めて「八丁山」とも呼ばれているそうである。

 山の神林道は現在工事中で、途中にある工事の邪魔にならない所に駐車して歩き始める。
 歩き始めるとすぐ「まわり道」の道標があり林道をショートカットして再び林道へ。そこは林道工事の最前部で林道いっぱいに小山のような盛り土があり、重機がうなりを上げている。

 登山道の取り付き地点は、林道をもうしばらく進んだところであるが、その工事現場を通過するのは危険で困難でもある。
 別のルートは設定できないものかと、地図を見ながら検討を始めたところへ、運良く現場監督さんが通りかかられた。訳を話すと、私たちのためにわざわざ重機をストップさせ、工事を中断して誘導して下さった。

 監督さんの話では「林道の工事は来年3月末までの予定で、工事中の通行は危険であり、できるだけ控えてほしい」とのことである。
 実際、ここの林道工事は山側を高いところから削るなど拡幅を含む大がかりな工事で、登山のための通行は工事が完了するまでは控えた方がよいと思う。

 余談ではあるが、先述の「まわり道」(手前にあるもう一つの工事現場の迂回を示すもので、実際はショートカットで近道)の道標は現場監督さんが登山者のために作成をして取り付けて下さったそうである。

 親切に対応をして下さった工事関係者の皆さんに、お礼を述べて先へ進む。工事現場を通り過ぎてしばらく進むと、山側に小さな道標がある。そこが登山道の取り付き地点である。ちなみに、古い林道はもう少し先まで延びている。

 取り付き地点から谷に沿って、人工林の中を通る杣道を進む。途中には、倒された間伐樹などもあって歩きにくいところもあるが、目印は続いている。
 道はやがて谷を離れ、山腹をジグザグに登って尾根に上がる。

 北西へ向かう尾根道は、灌木もなく歩きやすい。やがて、水無山を経て川原山へ続く主尾根に出会う。そこからは、主尾根上を南東へ向かう。

 道には、灌木やトゲ植物が徐々に多くなる。途中には尾根幅が広いところもあるが、目印に沿って尾根の中心部をはずさないように進む。

 急坂が終わると水無山の頂に着く。山頂の立木には、私製のプレートが着けられ「八丁山 水無山」と記されている。
 地形図には山名の記載はないが、三等三角点の記号があり700.6と記載されている。
 事前に調べた「点の記」(国土地理院 基準点成果等閲覧サービス)によると、その点名は「水無」で埋票は昭和37年である。 山頂は、人工林の中で眺望はない。

 一息入れて、稜線を川原山へ向かう。道はすぐ藪状になり、トゲ植物も多い。目印を追いながら、稜線に沿って進む。道は地図のE地点で二方向に分かれている。その二方向に、はいずれも踏み跡と目印があるので進行方向に注意が必要だ。

 しばらく進むと「川原山」と「飯盛山」への分岐点に着く。そこには両方の山の方向を示す道標が
あり、道標そって北西に進む。
 一旦下って登り返すとススキが茂る山頂に着く。山頂名を表す標識はなく、地図とGPSで位置を
確認する。

 山頂からの展望は素晴らしく、北方向には前原や福岡の市街地の先に博多湾が大きく広がっている。今回のルートで眺望があるのはこの川原山の頂きだけである。
 しかし、山頂のすぐ下からはヒノキが伸び上がってきており、この素晴らしい眺望が楽しめるのは、あと数年であろう。

 眺望を楽しんだあと下山にかかる。少し引き返したところで、往路とは反対方向を示す「山の神林道」のプレートを見つけた。
 当初の計画では、往路を引き返す予定であった。しかし、往路で通った工事現場の通過は再び迷惑をかけることにもなるので、プレートにそって下山することにする。

 プレートが示す登山道の情報は全く得ていないので、私たちにとっては冒険である。
 地図を見ると、山の神林道へ繋がる破線の道が載っている。もし、その破線の道が使えなくても、手頃な尾根が林道の方向へ延びていて、危険なところはないようである。
 もし、地図では読めない濃い藪や危険な場所に出会えば、無理をせずに引き返すつもりである。

 先のことは歩きながら判断をすることにして、予定外のルートへ踏み出す。踏み跡は薄いが目印は付いている。踏み跡は自然林の尾根上に続いていて、張り出した木の枝
を押し分けながら進む。
 進みながら先述の破線の道の分岐点を探すが、見つけることはできない。
 仕方なくあきらめ、目印を追って尾根を北東へ進む。しばらく進むと662mのピークに着く。目印は、そこから進路を北方向の支尾根に変える。
 地図を見ると、私たちが想定をしていた尾根である。

 道はやがて30年生ほどのスギ林に入る。スギ林の中は、灌木も少なくて歩きやすい。目印は地図のG地点あたりでなくなる。見失なった可能性もあり、G地点から西へ張り出した尾根への目印や踏み跡を探すが発見できずに、今まで下ってきた尾根を北西方向へ直進する。

 G地点から200mほど下ったところから孟宗竹の林となる。竹林の中は、間伐されたたくさんの竹が縦横に倒されていて歩きにくい。少々難儀をしながら歩きやすそうなところを選んで進むと、予定通りに神の山林道から南東へ延びている林道の支線に出会った。

 林道の支線に出会ってからは、林道を歩いて出発地点に戻った。

 今回の反省点は、G地点での判断である。G地点からは、西へ張り出した尾根を出発地点へ向かった方が、距離は短く時間も短縮できたと思われる。
 

川原山山頂のヤシャブシ


回り道の道標


水無山山頂


登山口の道標


トリカブトの実

 
ヤブランの実


ヒヨドリジョウゴ


林間で一際目立つマムシグサの実


クサギの実

 
シマカンギク



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