関の山(359m)〜金石山 かねいしやま(260m)〜大山(296m) 福岡県


経路概念図 クリックで拡大
 
関の山


大山


ヤマハッカ


2008年11月14日

 飯塚市旧庄内町にある、いこの森キャンプ場手前の駐車場から標記3座を歩いた。距離は5.4km、所要時間は2:15であった。

 関の山は昔、大宰府と宇佐を結 ぶ大宰府官道がこの山を通っていて、関所を 設けたことからこのように呼ばれるようになったそうである。

 駐車場からキャンプ場の中を通り、山道を進む。関の山一帯は石灰岩でできており、途中には大正から昭和20年代にかけて石灰を製造していたとされる窯跡がある。

 登山道はよく保全をされていて歩きやすく、道標もあって分かりやすい。しばらく進むと十本松に着く。ここは関の山と大山への分岐点で、まずは関の山へ向かう。

 自然林を抜けると、草原の稜線に出る。草原は防火帯で数十メートルの幅で山頂まで続いている。草原にはヤマハッカやヤマアザミなどの花が咲き、シマカンギクも咲き始めている。

 草原を登り切ったところが山頂で、一帯には石灰岩がたくさん露出している。

 山頂からの展望は素晴らしく、筑豊盆地を取り囲むように福智山から英彦山、馬見山、古処山、そして三郡山から若杉山などの稜線が連なって見える。

 関の山からは、先ほどの道を戻って展望台へ向かう。展望台からは田川市街地の先に、炭坑節で歌われる香春岳の山並みがよく見える。

 香春岳は三つの峰からなるが、今ではその内の一つ、一ノ岳は石灰岩の採掘で大きく削られ、年々低くなっているようだ。
 現在の一ノ岳の高さはこの展望台とほぼ同じのようで、展望台からは、削られた跡が白く横一直線に見える。

 展望台からは、一旦下って金石山へ向かう。金石山の山名は事前に集めた資料にはなかったが、ピークには山名と標高を記した私製と思われる古い標識があったので、山として記載することにした。

 金石山からは、自然林の中を歩いて大山へ向かう。登山道には次第にササや灌木の枝が現れて、部分的には完全に登山道を覆っている。
 登山道の状況を見る限り、このあたりは関の山に比べて歩く人が著しく少ないようだ。

 大山の山頂は、自然林に囲まれていて眺望はほとんどない。
 大山からは来た道を展望台の近くまで引き返して、十本杉へ向かう。十本杉で往路と出会い、駐車場へ戻った。

 関の山の山頂では、子供の頃、周囲の大人たちが「これくらいが関の山」という言葉をよく使っていたのを懐かしく思い出した。
 下山後、あらためて調べてみると、この言葉は三重県の関町、現在の亀山市で生まれたそうで「それが精一杯」という意味で、意味は子供の頃のおぼろげな記憶と一致する。


ヤマアザミ


ハダカホウズキ


駐車場に隣接する登山口


関の山、大山の分岐点 十本杉


クリハラン


関の山への登山道


大山への登山道


コマユミ


関の山山頂の石灰岩


関の山から見た三郡山


シマカンギク

 
アキグミ


香春岳   右は削り取られた一ノ岳


ヤクシソウ


シロダモ


ハゼの紅葉


Back