障子岳(1703m)〜古祖母山(1633m) 大分県


障子岩(左)  天狗岩(右)  


古祖母山


障子岳


川上渓谷


キレンゲショウマ


ケイビラン


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8月21日

 往路は、豊後大野市尾平登山口から黒金尾根を辿り、障子岳を経て古祖母山へ。
復路は傾山への縦走路北東へ進み、尾平越へ周回した。距離は17.5km、所要時間9時間25分はであった。

 天気は晴れ。早朝、登山口の空気は澄みきっていて爽やかだ。朝日が射し始めると、遙か彼方にこれから向かう稜線の天狗岩や障子岩がほのかなピンク色に染まって見える。

 今日の目当てはキレンゲショウマである。この花は、10年ほど前までは脊梁山地の至る所で見る事ができたが、最近はその多くがシカに食べ尽くされて、登山道沿いではほとんど見ることができなくなった。

 現在、脊梁山地では植林をした幼樹や貴重な植物をシカから守るためにシカよけネットが張られ、キレンゲショウマもそのネットの中にあるものだけが細々と生きている状況である。
 今回はネットが張られることなく、自然の状態でキレンゲショウマを見ることができるとの情報に、期待をして出発する。

 歩き始めると、登山道沿いの大岳川の水は澄みきっていて、聞こえるせせらぎの音も軽やかだ。途中から渓流沿いに、川上本谷の方へ少し入って辺りを見渡していると、渓流の対岸に黄色い花が点々と見えて、嬉しくなる。目当てのキレンゲショウマだ。

 幸いなことに渓流の水は少なめで、対岸に渡る事ができそうである。渓谷は大きな滑石状の一枚岩で、水は幅の狭い岩の割れ目を勢いよく流れ下っている。流れに落ちないように、渡渉点を慎重に探して対岸に渡る。

 近づくと、キレンゲショウマは咲き始めたところで、全体としてはまだつぼみである。今年の花は、例年よりも少々遅いようだ。この花に出合うのは数年ぶりで、心ゆくまで観賞して写真に収める。
 シカに食べられることなく自然に咲いているのは貴重な存在だ。不思議に思って辺りを見ると、背後は高い崖で川床は滑りやすい一枚岩になっている。そのため、シカはご馳走を眺めながらも寄りつくことができないのであろう。
 群落としては極々小さいが、シカよけネットで保護されることなく、自然に生きているキレンゲショウマは貴重な存在であり、大切に見守りたいと思う。

 登山道に戻り、黒金尾根に取り付く。尾根は急で、何度登っても登りごたえがある。一帯は自然林で、大木の中を進むのは心地よい。

 汗を滴らせながら稜線に出ると、爽やかな風が吹き渡っている。この稜線は祖母山と傾山を結ぶ縦走路で、これまでに何度も歩いた懐かしい稜線である。

 稜線を南へ向かい、途中では、登山口から遙か遠くに見えていた天狗岩と障子岩に立ち寄る。これらの岩峰からの展望は素晴らしく、北には祖母山、東にはこれから向かう古祖母山が圧倒的な姿を見せている。

 障子岳を過ぎて古祖母山に着くと、南には高千穂の谷々霞んで見え、
東には傾山への稜線が連なっている。
 稜線をさらに北東へ向かい、尾平越から尾平トンネルの北口へ降りる。このトンネルを通る県道7号線は、尾平集落のすぐ上からトンネルまでの間は復旧工事のために、車は通行止めになっている。

 トンネルからは県道7号線を北東方向へしばらく進んで、途中から登山道に入って急坂を下り、林道に出て出発地点へ戻った。

イワタバコ


天狗岩から見た尾平集落


天狗の岩屋


天狗岩からの阿蘇根子岳


ママコナ

 
ノギラン


アキノキリンソウ

 
オトギリソウ


緑が鮮やかなコケ


ノリウツギ

  
  
ツクシアザミ

 
ヤマヒヨドリ

 
ウバタケニンジン


ホツツジ


ナナカマドの実


ガマズミの実

 

黒金尾根の自然林

 
クズ

 
シモツケソウ


ツチアケビ


シロモジの実


一本だけ色づき始めたカエデ



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