鳴子山(1643m)〜白口岳(1720m)〜稲星山(1774m) 大分県




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6月27日

 往路は、竹田市沢水キャンプ場近くの沢水展望台から朽網分れを経て、東側から鳴子山へ。
 復路は、白口岳から稲星山へ周回した。距離は9.5km、所要時間は7:25であった。

 今日のめあては二つ。初めての東側からのルート歩きと、オオヤマレンゲの観賞である。

 東側からのルートについては、事前に詳しい情報を得ることができなかった。地形図でおおよその見当をつけて、歩きながら取り付き地点を探す事にして出発する。
 取付き地点ががわからない時は、鉾立峠から白口岳経由で鳴子山へ向かうつもりだ。

 朽網分れから注意をしながら歩いていると、スギの立木に白いテープが巻いてあり、そこから西へ向かって目印しも付いている。道標はないが、現在位置をGPSで確認して、進む方向を地形図を見て予想する。

 予想では、登山道は西へ延びる尾根を進み、鳴子山の手前で稜線に出ると思われる。地形図では、傾斜は急であるが危険な所はないようであり、目印に沿って進んでみることにする。

 取付き地点からしばらくは、人工林である。登山道はやがて、ミズナラやネジキなどの自然林に入り、吹く風が心地よい。

 踏み跡は明瞭で、目印も続いている。樹林の中は灌木もなく、すっきりとしていて見通しも良い。尾根は幅の広いところもあるが、できるだけ中心をはずさないように進む。

 路面は土の上に落ち葉が積んだ状況で、岩の露出はなく歩きやすい。傾斜はかなり急であるが、急がず休まず、自分たちのペースで進む。

 背の高い樹林が終わると、ススキ混じりの灌木帯となり、初めて視界が広がる。振り返ると、すぐ近くに大船山が圧倒的な姿を見せている。遠くには緑の大地が広がっていて雄大な眺めだ。
 踏み跡は明瞭で、ススキや灌木が体に触るが、歩くのに支障はない。

 灌木帯が終ると、鳴子山へ連なる稜線に出る。正面には稲星山がたおやかな山容を見せ、山頂に近い斜面はピンクに色づいている。麓から、ひと月あまりをかけて咲き登ってきた、ミヤマキリシマのゴールであり、名残の花姿である。

 稜線は小さな岩場が数カ所あるが、大きな危険性はない。進行方向には、一つ目のピークの先に鳴子山が見え、足もとにはシライトソウが咲き始めている。

 鳴子山の頂は、視界360度。久住連山の峰々や、遠くには双耳峰の由布岳がくっきりと見える。
 このところ、大気汚染物質の飛来が続いていつも霞んでいたが、今日は久々に空気が澄み切っている。思えばこれが当たり前。その当たり前が当たり前でなくなっていることに、国境を越えた環境の悪化をひしひしと感じる。

 初めて歩いた東側から鳴子山までのルートは、岩石が累積したり滑りやすい他のルートに比べて歩きやすく、途中には自然林もあって魅力的だ。
 この東側からのルートは、「東尾根」というそうである。この日、鳴子山から沢水越へ向かう途中で、登山者の方に教えていただいた。
 次は来春、マンサクの花が咲く頃に歩いてみたいと思っている。

 鳴子山から沢水越への途中では、この日のめあてであるオオヤマレンゲが咲いている。顔をを近づけると、気高い香りが漂ってくる。そのまま深呼吸をすると、長い登りで荒ぶっていた心や体がスーッと鎮まるようで、何とも心地よい。  花は5〜6分咲きで、もうしばらく先まで楽しめそうだ。

 沢水越からは、白口岳、稲星山を回って、出発地の沢水展望台へ下った。

 
 
自然林の東尾根登山道


稜線手前の灌木帯

 

遠くに見える双耳峰の由布岳


鳴子山から見た、歩いてきた尾根

 

オオヤマレンゲ

 
坊ヶつる

 
片ヶ池 子犬の水形


ミヤマキリシマ

 
 
シライトソウ

 
ドウダンツツジ


ヒカゲノカズラ

 
コケモモ


サワフタギ



スイカズラ


シモツケ

 

ニシキウツギ


ヤマアジサイ


クマイチゴ

 
バイケイソウ



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