烏帽子山(1225m) 広島県



経路概念図 クリックで拡大

 
 
雪原のような山頂


山頂から見た御陵(比婆山系)


3月6日

 庄原市にある県民の森から、出雲峠を経て山頂を往復した。距離は7.0km、所要時間は3:55であった。

 この時期は雪崩に注意が必要であるが、この山ではその危険性は低い。積雪は3mほど。日の出前の気温はマイナス7度とかなり冷え込んでいる。

  今日の天気は、御前中は晴れるが、午後には低気圧が近づく予報である。山での気象の変化は早く、一旦崩れると吹雪になることも予想される。

 出発時の天気は快晴、無風。スノーシューを着け、ダブルストックで出発する。荷物は少々重くなるが、アイゼンと輪かん、ピッケルを携行する。
 まずは出雲峠を目指し、峠に到着をした時点で天気を見て、烏帽子山へ向かうか、引き返すかを判断する予定である。

 人が歩いた形跡が全くない、真っ白な雪道は新鮮だ。深い雪の中、ルートの維持に注意をしながら進む。
 途中では純白の斜面に、シカやウサギ、ネズミなどの足跡がたくさん付いている。鮮やかな足跡の状況から、ほんの少し前、色々な動物たちが歩いたり、走ったり、飛び跳ねたりしたようだ。

 積雪は多いが、樹木の株もとでは根回り穴ができはじめていて、春の気配がする。

 到着をした出雲峠は、深い雪の中で静まりかえっている。道標も雪に埋もれていて、見ることはできない。

 空には雲が多くなり、動きも早くなってきたが、天気はもうしばらくはもつようだ。地形図とコンパスで烏帽子山の方向を定めて進み始める。

 雪は深いがスノーシューの沈みは10〜20cmほどで、緩い傾斜地を歩くのは快適だ。途中で傾斜が急になり、傾斜地に地に向いている輪かんに替えようかとも考えたが、雪の質から輪かんでは深く沈み、ラッセルが必要になると思われ、スノーシューのままで登り続ける。

 しかし、スノーシューは急斜面には弱く、登りづらい。雪の急斜面をジグザグにしばらく進むと、傾斜が急に緩くなり、山頂が近いことを知る。

 辿り着いた山頂一帯は平らで広く、深い雪に覆われた雪原のようである。山頂はどこなのか、標識も埋もれていて、全くわからない。地形図でおおよその検討をつけて、GPSで確認をする。

 山頂からは、すぐ近くに比婆山系の御陵が見え、遠くには、春とはほど遠い冬の山並みが幾重にも重なっていた。
  

山頂から見た中国山地の山並み


ブナの大木


出雲峠の避難小屋


着雪をしたブナ

 
シジュウカラ

 
ネズミの足跡


出雲峠から見た毛無山


春の気配を感じさせる根回り穴


ウサギの足跡



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