セツブンソウが咲く里山 広島県


3月5日

 庄原市の旧惣領町はセツブンソウの里として知られ、毎年この時期には「節分草祭り」が行われている。

 セツブンソウはその名のとおり、旧暦の節分の頃に清楚な花をつけて、春を知らせる可憐な植物である。

 私たちは十年ほど前から訪ねているが、今年の開花は例年よりもやや遅いようで、一番の見頃はもう少し先のようだ。

 セツブンソウは関東から中国山地にかけて自生する、日本の固有種である。旧惣領町では一旦絶滅したと思われていたセツブンソウが再発見をされて以来、地域をあげた保護や増殖が行われ、現在では地域興しの主役として、復活をしてきているところである。

 セツブンソウが自生できるのは山林と農地との境で、夏草や灌木が茂らないように、夏場の草刈りなどが行われて所である。

 白い花びらのように見える部分はがくで、黄色いおしべのような部分が花びらである。めしべとおしべは花の中央にあり、花の構造は他の花とはやや異なっているところも珍しく、この花の特徴でもある。

 春を告げるセツブンソウは、私たちの好きな花の一つであり、地域の人々の暖かい思いも伝わってくるようで、来年もまた訪ねたいと思っている。
 
 

赤系の花


節分草の観賞路沿いに育てられている
フクジュソウ

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