烏帽子岳(1692m)〜五勇山(1662m)〜小国見岳(1708m)〜国見岳(1739m)  熊本県


経路概念図 クリックで拡大


霧立越の稜線


稜線から見える椎葉村の集落


 11月15日

 八代市泉町樅木から、車で樅木林道を進み、五勇谷橋手前のゲートへ。車はゲートの開閉や後から来る車のUターンに支障がないように、ゲートの手前100mほどの道幅が広い所に停めた。
 烏帽子岳への登山口は、駐車地点のさらに手前50mほどのところにある。
 今日は烏帽子岳を経て国見岳へ周回をする計画である。

 このルートは数年前、逆回りで歩いたことがある。その時は烏帽子岳から登山口への下りで、密生した背丈を超えるスズタケと不明瞭な登山道に、ずいぶん苦労をした。

 見通しが利かない藪状のスズタケが延々と続き、ルートを維持するのにスズタケをかき分けながら、行きつ戻りつ、右往左往しながらの下山に、ずいぶん時間もかかった。

 今回はその時の反省にたって、烏帽子岳へ向かって登ることにした。不明瞭な登山道は登りの方が探しやすく、引き返すことも可能だ。

 天気は晴れ。風は少し冷たいが絶好の山日和だ。日の出とともに烏帽子岳を目指して出発する。
 前回はテープだけであった烏帽子岳への登山口には、案内板があり、わかりやすくなっている。

 前回苦労をしたスズタケの中は、踏分が明瞭になっていて目印もあり、歩きやすくなっている。最近、このルートを歩く人が多くなったためであろうか。前回の苦労を思うと、嬉しいことだ。今回は登山道を探すのに、立ち止まることは一度もなかった。
 
 登山道がこんなに明瞭になっていれば、下りに使っても支障はいと思われるほどだ。

 烏帽子岳の山頂付近にはたくさんのシャクナゲが自生をしている。歩きながら蕾のつき具合を見てみたが、極めて少ないようだ。
 シャクナゲの蕾は、この秋私たちが歩いた久住の山や上福根山など、いずれも少ないようである。

 烏帽子岳の山頂から国見岳にかけての稜線はブナやミズナラなどの自然林で心地よい。
 これらの木々はすっかり葉を落としていて、稜線から見える山々は、木肌と同じ明るいネズミ色をしている。

 葉を落とした木々は、これから春まで深い眠りにつき、山は一年のうちで最も静かな季節を迎える。

 ブナの梢ではツグミの群が、クワッ、クワッと鳴き交わしながら、羽を休めている。今年も大陸から、北風に乗ってやってきたようだ。
 近年、見かけるツグミの数が大幅に少なくなったように思う。原因は調べていないが、気がかりな現象だ。

 稜線を歩いていると東下の方向に、椎葉村の集落が見えてきた。その集落からは一筋の煙が立ち上っていて、奥深い山里の生活の香りが伝わってくるようだ。

 国見岳の山頂からは、霧立越の稜線や九州の脊梁をなす山々、そして遙か遠くには、祖母山や阿蘇などの山々が幾重にも連なっていた。

 今回の下山口とした国見岳の登山口周辺では紅葉が見頃で、渓流に枝垂れる鮮やかなカエデが印象的であった。

 所要時間は7:25、距離は14.2kmであった。

国見岳山頂の祠


烏帽子岳への登りから見た国見岳


国見岳の下りから見た小国見岳


葉を落として冬に備えるブナの大木
  途中で見つけた
足下の小さなもみじ


 
登山口周辺の紅葉  

 
 

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