伯耆大山(1,729m) 鳥取県


経路概念図 クリックで拡大



 2月27日 夏道の登山口から弥山を往復した。所要時間は4:05であった。今回の登山にあたっては、ルートの事前チェックを兼ねて、昨年の秋に同じコースを歩いて備えていた。

 冬の大山は危険性が大きく、慎重な行動が求められる。登山道の情報を得るために連絡をとった地元警察署の話しでは、前日も稜線100mを滑落する事故が起きたとのことであり、あらためて気を引き締める。

 この日の天気は、低気圧の接近で午後から下り坂との予報である。できるだけ早い時間に下山できるように、夜明けとともに出発をする。雪は締まっており、アイゼンの利きもよい。歩くスピードは無雪期なみだ。この冬は雪が少なく、積雪量は30〜50cm程度である。

 3〜4合目辺りでは、ブナの株もとの雪が「窪み状」に解ける根まわり穴がたくさんできていて、雪の山にも春が近いことを伝えている。

 6合目を過ぎるとガスがかかり始め、8合目辺りから視程は20m近くまでに落ちた。風も10〜15m/secと強く、ルートをはずさないように慎重に歩く。山頂は濃いガスの中、風も強く肌が露出した部分は刺す様な刺激を感じる。麓では春の気配がしていても、高い山はまだ真冬の様相である。
山頂の標識を確認して、疲れもほとんどないことから休まずに下山にかかる。

 視界が利かない雪山で復路を確認するのには、GPSの軌跡が参考になる。進路の方向を変える地点では地形図とコンパスに加えてGPSの軌跡を確認しながら進み、予定どおり天気が崩れる前に下山できた

 
私たちの山行スタイルは、登山口での前夜泊である。寝るのは車の中。昨年の秋と今回は宿泊なしの風呂と食事のみを登山口近くのとやま旅館(http://www2.sanmedia.or.jp/toyama/)にお願いをした。快く引き受けていただき、食事は心のこもった郷土料理などがおいしい旅館である。
 私たちのような宿泊をしない客もOKとのことで、若主人は人柄もよく登山者への理解も深い。


山頂(弥山)



前日の夕方見た伯耆大山



稜線から見た大仙寺



6合目から見た左、三鈷峰 右、弥山はガスの中


ダイセンキャラボクに発達したエビの尻尾



ブナの根まわり穴



6合目から見た弧を描く海岸線

 




登山道のブナ林

 

途中で出会った学生の冬山登山訓練
時々全員で大声を出して、気合いを入れ
ながら歩いていた




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