十方山(じっぽうざん) 1,319m   広島県


 6月20日

 廿日市市立岩貯水池の登山口から山頂へ、復路は途中から瀬戸ノ滝へ周回しました。
所要時間は5:20でした。
 登山道はそのほとんどが自然林で、爽かな山歩きができました。標高700mくらいから、道端にササユリの花が点在し始め、標高1,100mくらいまで続いていました。それは、登山者を山頂へ誘う道しるべのようにでした。山頂に近いササ原では、ササユリはまだかたい蕾で、開花はもうしばらく先になりそうです。
 登山道では、甘い香りのヤマブドウの花が咲き、山頂に近い広い稜線では、レンゲツツジの名残り花を見ることができました。

 中国山地は、クマの生息域です。その先入観からでしょうか、途中では「クマ?」と思われる、大型動物の気配を身近に感じました。私たちは、クマの生息域に入る時は、クマとの遭遇を避けるために、それぞれ鈴を付けて歩いています。今回は、その鈴が役に立ったようです。
 それは、自然林の林床にササが生い茂っている急斜面でのことです。約30m離れた斜め前方の小さな支尾根付近から、突然「ザワザワッ、ザワザワッ、ザワザワッ」という、ササ藪をかき分けるような音が聞こえてきました。目を凝らして音の方向を注視していましたが、支尾根の陰になっているのか、ササの揺れや動物の姿は見えませんでした。しかし、その音や移動の状況は、今までに数多く出会っているシカやイノシシとは、明らかに違うものでした。緊張しながらも、クマへの対処方法を思い起こしつつ、注意深く観察していましたら、幸いにもその音は、人がゆっくりと歩くくらいの早さで遠ざかっていき、事なきを得ました。
 これは「クマ?」が鈴の音をいち早く察知して、人を避ける行動に出たものであろうと思っています。 

 


穏やかな山頂




                                  
          ササユリ                                     ササの葉そっくりのサユリの葉 山頂近くのつぼみ



登山道に点々と咲くササユリ



ヤマブドウの花



ヤマアジサイ







オオナルコユリ



ムシカリ



ベニドウダンツツジ



山頂から 左のピークは冠山 
       右のピークは寂地山




爽やかな自然林



ササの花



ヤマツツジ



レンゲツツジ



ハイノキ



マユミ


 
ニワトコ



ツクバネソウ







瀬戸谷の渓流


 
ニガナ



ニガナ

 

瀬戸ノ滝 落差47m



コケモモ

 

ギボウシのつぼみ