コショウノキの花が咲き始めた古処山(860m)  福岡県


 3月23日

 古処山キャンプ場から、山頂を経て旧八丁越を通るコースを周回しました。登山道沿いでは、コショウノキの花が咲き始めていました。顔を近づけると、ジンチョウゲの香りをやさしくしたような、すてきな芳香が漂っていました。
 ジンチョウゲは中国からの渡来植物ですが、コショウノキは日本在来のジンチョウゲの仲間です。コショウノキの名称は、果実がコショウのように辛いことに由来しています。果実は6月中旬頃、アオキの果実のように、赤く熟します。樹の姿や葉は、ジンチョウゲによく似ています。「コショウノキ」はその発音からして、私たちは「古処山」のシンボル的な親しみを感じながら見守っています。私たちが歩いた九州の山の中では、古処山にもっとも多く自生しているように見受けます。
 古処山はツゲが有名で、天然記念物に指定されていますが、このコショウノキも大切に見守りたいものです。
 また、登山道沿いでは、サツマイナモリやアマナなど、多くの春の花々が咲き始めていました。


ルート図(クリックで拡大図へ)



秋月から見た古処山


   
コショウノキの花


 
ヤブツバキ
 

旧道を覆うカエデの新芽



苔むした石畳が残る
   秋月街道八丁越え


 
古処山の風穴

 登山道近くの狭い範囲に、数カ所の風穴があります。この風穴のことは、古処山や秋月に関する文献を見ても記載はないようです。
 私たちが気づいたのは、10年ほど前の冬です。白い煙状の空気が、岩穴から2〜3m立ちのぼっているのに出会った時です。そのときは、カメラを携行していなかったため、写真に収めることはできませんでした。以来、撮影のチャンスを待っていますが、未だにその現象に出会うことがなく、残念に思っています。この現象は気温や風など、ある気象条件の時に生じるものであろう、と思っています。風穴からは、1年中空気が吹き出しています。特に、冬は手をかざすと暖かく感じます。
 古処山は石灰岩の山であり、風穴は鍾乳洞などとの関係があるのでは、と推測してるところです。また、古処山は山城が築かれていたこともあり、歴史的な意味あいもあるのでは、など思いを巡らせています。
 古処山の新たな魅力を登山者に知らせるために、役所の了解が得られれば、風穴の案内板を設置したいと思っています。
 この風穴のことは、当時、甘木市役所に文書で連絡をして、現地調査を依頼したところですが、実現できていません。近いうちに、あらためて調査を依頼し、案内板を設置することについても理解を得たいと思っています。



苔むした石灰岩を背にたたずむ石仏


 
石灰岩に囲まれた風穴


   
サツマイナモリ

  
セントウソウ(先頭草)



タンポポ



ワサビのつぼみ

 
アセビ


新芽が美しい
    キツネノカミソリ


   
スミレ



ヒメウズ


クレソン

 
ジャノヒゲの実


アマナ