岩宇土山山腹 白崩平:しらくえだいら  (熊本県 五家荘)


 
経路概念図 クリックで拡大


参加した地元の皆さん、地域の企業の皆さん、それにボランティアの
総勢13名 (写真はMishan提供)


 集合場所の久連子「古代の里」で事前説明を受ける
白崩平

1haほどもあるフクジュソウの大群落地

 この時期、フクジュソウは姿を消し、土の中で休眠中
 今は、トリカブトやオオルリソウがたくさん生えている
 鉄筋を打ち込んで穴をあけ、そこに支柱を立てる
 支柱を立ててロープを張る
 2時間余りの作業で完成した、150mほどの鑑賞者用通路帯

2012年7月30日

 この日は、日本山岳遺産に認定されている岩宇土山周辺に自生するフクジュソウの保護作業への参加である。
 岩宇土山中腹の白崩平は1haほどの広い台地で、一面にフクジュソウが咲くことで知られている。

 ところが、近年、鑑賞に訪れる人たちの踏み荒らしによって、その減少が危惧される状況になっていた。
 そこで今回、泉・五家荘登山道整備プロジェクトの皆さんによって白崩平で保護が行われることに。

 保護は、鑑賞者用の通路帯を設定してロープを張るもので、必要な資材は地域の企業からの提供である。
 さらに、企業からは保護作業に職員数名も派遣され、この日、作業に参加したのは、熊本、宮崎、福岡県からのボランティアを加えた総勢13名。

 オコバ谷沿いの作業道は先日からの大雨で大きく傷み、途中から車を降りて歩く。
 資材は参加者が分担して持ち、作業道から登山道に入る。途中の渡渉点や谷底のルートは土石流でかなり傷んでおり、注意をしながら進む。
 土石流でルートが分かりづらくなっているところには簡易な道標を取り付け、目印を補いながら登る。

 目的地の白崩平では、これまでのルートに沿って幅1.5mほどの通路帯を設け、両側に支柱を立ててロープを張る。作業は順調に進み、2時間ほどで150mに及ぶ通路帯の設定が終わった。

 この一帯は、フクジュソウに加えヤマシャクヤクやオオルリソウ、それにトリカブトなども咲く花園である。この貴重な花園が将来にわたって続くように願っている。

オオルリソウ


キランソウ


ヤマシャクヤクの実


集合場所の久連子「古代の里」で飼育されている
県の天然記念物「久連子鶏」
久連子鶏は古い時代から飼われている地鶏



オモト


サワグルミ



五家荘の隣にあるキレンゲショウマの保護地 宮崎県椎葉村

 フクジュソウの保護作業のあと、五家荘の隣、椎葉村にあるキレンゲショウマの保護地を訪ねてみた。
 ネットで囲まれ、シカの食害から守られているキレンゲショウマは2分咲きで、見頃はこれから。

 脊梁一帯の谷筋を埋め尽くすように自生していたキレンゲショウマは、近年異常に殖えたシカによって食べ尽くされ、今ではシカよけネットの中に僅かに残るだけである。




椎葉村への車道沿いに咲くコオニユリ


濃いピンクのネムの花


イケマ



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