白鳥山(1639.2m)〜時雨岳(1546m) 熊本県・宮崎県
時雨岳の近くから見る白鳥山

経路概念図 クリックで拡大


淡い黄色の花弁

 

2012年5月13日

 今回の2座を周回するには、椎葉村の唐谷登山口から登るのが一般的である。
 しかし、この日は「日本山岳遺産」に認定された五家荘エリアの峰越登山口から入山することに。

 日の出とともに白鳥山へ向かう。尾根筋に残るブナの大木は、うす緑の若葉が朝日に映えて美しい。よく踏まれた道にはスミレやエンゴサクなどの花が続き、ニリンソウもたくさん咲いている。

 ルート沿いにある石灰岩の造形が人気のドリーネは、新しいシカよけの金網に囲われていて驚いた。金網は、「日本山岳遺産」エリアの素晴らしい景観を大きく損なっていて残念。
 できれば、金網はドリーネをはずしたところに移設していただきたいものである。下山後にお会いした地元の方も私たちと同じ意向であり、金網を設置した森林管理署に地元から移設の希望を伝えていただいて、何とか改善をしていただきたいと願っている。

 白鳥山山頂の近くにはヤマシャクヤクの大きな群落があり、花はちょうど見頃。蕾も1〜2割ほど残っていて、もう少し先まで楽しめそうだ。

 白鳥山から尾根に沿って時雨岳へ向かう。水上越への分岐と、その先にある銚子笠への分岐を確認して大きく下る。
 鞍部から登り返し、傾斜が緩くなる辺りからヤマシャクヤクの群落が続く。

 満開のヤマシャクヤクに加え、一帯にはイチリンソウやニリンソウなども咲いている。

 山頂の手前にはシカよけネットが張り巡らされ、ネットを開けて中へ入り確実に閉めて先へ進む。ネットの出口も同じように閉める。

 山頂はネットのすぐ先にあり、15年ぶりの懐かしいところ。頂からは、木々の枝越に脊梁の山々が見える。

 山頂でひと休みしたあと、時雨岳の登山口へ下る。山頂から往路を少し戻って、先ほど通過したF地点でネットの中に入る。分岐点のF付近は踏み跡が薄く、離れた所に小さな目印があるだけで下山路の方向が分かりづらい。

 ネットの内側(E側)に沿って西方向へ少し進むと、下山路側のネットの出口に着く。 この辺りから先の踏み跡は明瞭で、途中の新しい作業道は直角に横切って下る。 谷に沿ってなおも下ると、時雨岳の登山口に出る。
 そこからは、車道を3.9km歩いて峰越登山口に戻った。 
  紅が少し入った花弁


脊梁屈指の貴重なスポット
大きなドリーネの中にある石灰岩の見事な造形
この回りに、シカよけの新しい金網が張られている



ジロボウエンゴサク

  
コガネネコノメソウ


みずみずしいブナの新緑


シロバナネコノメソウ

  
直径2mを越える大きな古株


タネツケバナ

 

ミヤマハコベ

 
ワチガイソウ

 
ミヤマカタバミ


オトメスミレ

フウロケマン

 

ツクバネソウ


オオキヌタソウ

 

フモトスミレ

ニリンソウ


イチリンソウ



オオカメノキ


ホウチャクソウ


ヒメレンゲ


ホソバナコバイモの実


ラショウモンカズラ

 美しい声でさえずるソウシチョウ
この鳥はペットとして持ち込まれた外来種で急速に殖え、ウグイスなどへの影響が懸念されている。



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