岩宇土山(1347m) 熊本県 |
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この日、地元の人たちによって立てられた山頂標識 標識には、昨年11月に認定された「日本山岳遺産: 九州中央山地五家荘エリア」の記載も |
鍾乳洞の上にある岩峰から見る岩宇土山 |
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経路概念図 クリックで拡大 |
岩宇土山の手前から見る上福根山 |
2012年2月21日 この日は地元ガイドさんの研修を兼ねた登山道整備。それに、昨年11月、五家荘エリアが「日本山岳遺産」に認定されたことを示す山頂標識の設置である。 参加者は地元のガイドさんに加え、熊本、宮崎それに福岡県からの10名。 五家荘の久連子にある登山口から、登山道に被さる蔓や枝を刈り払いながら進む。 尾根に出ると、登山道を整備するところはほとんどなく、樹木の名前やこれから咲く花などをお互いに確認しながら山頂へ向かう。 石仏を過ぎ、山腹を進む登山道には大きな木が倒れ込み登山道を塞いでいる。ここは迂回路を作ることも可能であるが、自然に新たな負荷を与える迂回路は作らずに、倒れている大きな樹を鋸で切断して以前からのルートを復元。また、道迷いを未然に防ぐため、目印が遠すぎるところは補い、道標が必要な所には簡易道標を取り付けながら進む。 「日本山岳遺産」の認定を受け、今までは定かでなかった山頂の位置を定めて標識を立てるために、地形図の標高点の位置をGPSで確認。 しかし、そこは周辺の状況や高さから見て山頂と定めるには不十分なところで、少し先の最も高いところを地元の参加者が山頂と定めて、標識を立てる。 今回設置する山頂標識は、五家荘の登山地図に記載されている山頂に設置されるもので、立てるのはこの日が最初。標識のデザインは、統一されたすっきりしたものである。 標識の山名は公的な呼び名が分かるように、そして、外国から訪れる人たちにも配慮をして、ローマ字も併記されている。 なお、全山にわたる標識の設置は、雪融けの状況を見ながらこの春に進められる予定である。 山頂から上福根山へ連なる尾根を下り、鞍部からオコバ谷へ向かう。フクジュソウの大きな群落がある白崩平(しらくえだいら)は昨日に比べて雪かかなり融け、たくさんの蕾に踏み場もないほど。 日当たりの良いところでは、フクジュソウがかなり咲き始めており、見頃は、今月末から来月初め頃になりそうな状況である。 台地状の白崩平は登山道が定まっていないために、登山者による踏み荒らしが大きな課題。そこで、この日は参加者全員で群落の保護をするための智恵を出し合った。 その結果、必要最小限の通路帯を設けてロープを張ることに。加えて、登山者が休息や食事をする場所も岩場に限るように設定し、座り込みによる植物の傷みを防ぐことになった。 白崩平から、人工林や自然林の中を下って渡渉点へ。渡渉点はその地質から、常時崩壊が続いているところであり、登山者がその場に行てみて、自ら渡渉ポイント定める状況が長年続いている。 今回も取り付く対岸は流水によって削られ、3mほどの崖状になっている。ここは、地元のガイドさんがルートを検討し、岩場を利用した足場を工作して、応急的なルートを作る。しかし、より安全を期するために、梯子の設置を検討することになった。 渡渉点から先は安定した登山道で、対岸で山腹の崩壊防止工事が行われている所で工事用の車道に出て登山口に戻った。 今回検討された、フクジュソウ群落の保護のために張るロープ架設や渡渉点の梯子設置については、下山口でお会いした地元企業の方から「地域貢献の一環として検討する」との嬉しい意向が伝えられた。 今回の企業の配慮には大いに期待をするとともに、実行をされる段階ではボランティアとして参加をしたい。 |
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鍾乳洞にできた氷筍 |
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山頂標識を立てる地元ガイドの皆さん |
参加の皆さん |
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下山道脇にできた大きなつらら |
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フクジュソウ |
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