横山中岳(724m) 北海道 新日高町

 
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山頂

 
   
麓の牧場から見る横山中岳


山頂からの眺め 先には太平洋が広がる


2011年10月4日

 この日は日高山脈の神威岳に登る予定で登山口へ。ところが、登山口でヒグマとの遭遇が心配される確度の高い情報を猟師さんから聞き、急遽、神威岳登山を中止してこの山へ。

 登山口は新日高町、旧三石町の公営牧場である。牧場に張られた有刺鉄線をくぐり、牧場の中を登る。牧場で草をはみながら私たちに視線を向ける馬に言葉をかけて進む。しばらく登ると牧場の出口に着き、ここでも有刺鉄線をくぐる。

 牧場から出て、ササが被さる登山道を登る。中腹まで登ったところで、ふとズボンを見ると、ケシ粒よりも小さいつぶつぶがいっぱい着いている。よく見ると、かすかに動いており、ダニの幼虫のようだ。

 とりあえずはたき落として20mほど進んでみると、先ほどと同じようにたくさんのつぶつぶに混じって、ダニの成虫も数匹くっついており、あわててはたき落とす。

 そこからは10〜20mごとに、ズボンに着くおびただしい数のダニをはたき落としながら登る。

 山頂の周囲はダケカンバが茂り、期待をいていた日高山脈の展望はほとんど得られないものの麓の牧場がよく見え、その先には太平洋も見える。

 山頂でひと休みしたあと、下りもまたダニをはたきながら登山口に戻った。

登山道が通る牧場の馬





ササが被さる登山道





ササの葉の裏にとまって人や動物を待つダニ


登山道沿い立つミズナラの大木


淡く色づいたダケカンバの林



オオセンチコガネ


登山口へ向かう林道沿いに咲いていた花












 神威岳(1600.5m) 北海道 日高山脈 [ 登山口で中止 理由はヒグマ]


神威岳


2011年10月4日

 ダートの林道を20kmほど車で進んで登山口へ。
 そこで出会ったライフルを持つ中年の猟師さんから、登山口周辺のヒグマの状況について教えていただいた。
 その情報に危険を感じ、急遽登山の中止を決めた。

 猟師さの話は次の通りである。
 1 今年は、この山域のヒグマの数が非常に多い。
 2 10月1日の狩猟解禁から、2日間でヒグマを3頭獲った。
 3 最近狩られたシカが回収されずに、至る所に放置されている。
 4 登山をする場合は、くれぐれも注意をするように。

 この話を聞いて、登山を中止しする最も大きな判断材料としたのは3項である。

 狩られて放置されているシカをヒグマが食べ続けており、その場に登山者が近づいたとすれば、ヒグマの習性からして登山者に襲いかかってくる可能性は非常に高くなる。

 先日のマスコミ情報でも、道東からから道北のヒグマは日常的にシカを餌にしているそうである。そのことを裏付けるように、この日の朝、登山口へ向かう林道で見た真新しいクマの糞には、シカのものと思われる動物の毛がたくさん含まれていた。

 しかし、疑問が残る。猟師さんたちは狩ったシカをなぜ放置するのか。放置すればヒグマがその付近に居続けることになって、非常に危険な状況を作り出すことになるのだが・・・。
 狩ったシカを放置するのは、何か大きな理由があるのかも知れないと思っている。

 いずれにしても、ヒグマが多い日高山脈の登山は狩猟が始まる前までにしなければならないということを今回の経験から学んだ。


登山口の神威山荘


登山口近くの林道で見た
真新しいヒグマの糞
シカのものと思われる動物の毛が
たくさん混じっている







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