白鳥山(1638.8m)〜七遍巡り(約1590m)〜南山犬切(1561.7m)〜石楠山(約1450m) 熊本県

経路概念図 クリックで拡大

 
 
白鳥山山頂

 
縦走路から振り返り見る白鳥山

 
 
開き始めたヤマシャクヤク

七遍巡り

 

 2011年5月8日

 この日は山の会行事の二日目、奥深い脊梁の縦走である。参加者は31名。3班に分け、先頭集団のルート案内とペースメーカーを務めることに。

 スタート地の峰越登山口は、霧雨模様の濃いガスの中、各班ごとに出発する。
 ブナやミズナラなどの大木の中を進む。小さなピークを六つほど越えると、大きなドリーネの中にできた石灰岩の造形、屏風岩に着く。屏風岩は苔むしていて、ここは、苔が深い緑色になる6月頃からが最も魅力的で、また訪ねたいところである。

 屏風岩から、ヤマシャクヤクの大きな群落があるルートを辿る。御池を過ぎ、尾根筋に広がるヤマシャクヤクはまだつぼみ。花は例年に比べて十日ほど遅いようだ。

 白鳥山の山頂へ向かうルート沿いには、イチイの巨木が数多く残っている。しかし、近年、その樹皮をシカが食べるようになり、枯れるイチイが出始めた。
 そこで一昨年の秋、椎葉村と五家荘の皆さん、それに私たちボランティアが森林管理署の指導を受けながら、イチイの木一本ごと、合計70本ほどに樹皮を保護するネットを取り付けた。

 登りながら、ネットを巻いたイチイの巨木を観察すると、樹皮はシカに食べられることなく無事に生存していて、ひと安心。

 白鳥山の山頂は、自然林に囲まれていて展望はない。一休みして横才越しへ向かう。
 白鳥山から南東へ、時雨岳方面へ連なる尾根を100mほど進んだところから、西へ分岐する尾根に入る。
 今回のルートでは、この分岐点が重要なポイント。分岐点は分かりづらかったが、2週間前の事前調査時に地元の要望を受けて道標板を取り付けた所である。

 分岐点から、南側に切れ落ちた地形の縁に沿うように進む。標高差200mほどを緩やかに下ると横才越に着く。
 ここは地形図に破線の道が描かれており、現在位置が確認できるように、事前調査時に横才越の地名板を取り付けた所である。この辺りから、天気が回復して青空が見え始める。

 横才越から、小さなピークを五つほど越えると水上越に着く。途中のヤマシャクヤクの群落では白い花が咲き始めていたが、ここのヤマシャクヤクはまだつぼみ。

 水上越には、1年前に五家荘の皆さんと共に立てた分かりやすい道標があって、ここも現在位置が確認できる貴重なポイント。

 水上越から、緩やかに登ると七遍巡りに着く。七遍巡りは、道に迷いやすいことで有名である。視界が悪い時にも進行方向を誤らないように、道標が各進行方向に連なるように2カ所立てられている。この道標も、昨年、泉・五家荘登山道整備プロジェクトの皆さんと、ボランティアの皆さんが立てたものである。

 その道標にそって、南山犬切へ向かう。一旦下って軽く登り返すと南山犬切に着く。ここから進行方向が南西に変わる。緩やかに下りながら小さなピークを四つ越え、五つ目のピークが地元で呼ばれている石楠山、ここにも山名プレートを取り付ける。さらに下ると石楠越に着く。

 石楠越で全体を2隊に分け、一隊は起伏の少ない破線の古道を下って石楠越登山口へ。もう一隊は1442mピークへ登り、泉五木トンネル口を経て石楠越登山口へ下山。そこで全員で合流して、全ての行程を終了した。
 この日に歩いた距離は14.6km、所要時間は7:30分であった。

 今回は、五家荘地域振興会:「五家荘ねっと」http://www.gokanosyo.net/index.html
や宿泊をした佐倉荘と山女魚荘の支援を受け、集合場所の樅木から峰越登山口までマイクロバスとRV車で送ってもらった。そして夕方は、下山口の石楠登山口まで迎えに来ていただいた。

 登山口と下山口間の車道の距離は40km、往復すると80kmにも及ぶ距離である。この距離を登山者の車でカバーするのは時間的に無理であり、地元の支援があってこそ実現できた山行である。
 支援をして下さった、地元や民宿の方々に深く感謝をしている。
   
南山犬切山頂

 
堅いつぼみのヤマシャクヤク群落


石楠山山頂

  
石楠越の西1442mピーク

 
 
シロモジ

 
ミヤマカタバミ


ワチガイソウ

 
シロバナネコノメソウ

 
フデリンドウ

 
ツボスミレ


オニシバリ

 

オオカメノキ


バイケイソウの大群落


トリカブトの新芽


ナツトウダイ


ブナやミズナラなどの大木が続く縦走路


ヒトリシズカ


ジロボウエンゴサク


御池の手前にある屏風岩 大きなドリーネの中にできた苔むした石灰岩の造形


御池の湿地帯


民宿の庭に咲いていたクマガイソウ

 



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