2011年4月13日
八代市泉町久連子の日添林道から標記3座を経て林道菊池人吉線へ周回した。距離は14.9km所要時間は8:35であった。
2011年3月、国土地理院の電子ポータル地図で、標記3座の山名が変更された。今回の山名変更は、私たちにとって実に感慨深いことである。
この日の目的は、山名が変更された山頂の状況把握と、新しい積岩山への最短ルートである久連子から岩茸越へ至る地形図の破線の道の状況調査である。
林道日添線終点の手前に広場があり、いつもはそこに駐車している。しかし、今回は広場の手前70mのところで、積雪による枝折れの松が林道を1/3ほど分塞いでいたので、その手前の路肩に駐車。
林道の終点から、広い谷の中に目印が付いているのを確認して涸れた谷筋を登る。堰堤を二つ越え、谷の右岸を登る。途中には雪による倒木が続き、それを迂回しながらジグザグに進む。しばらく登ると、三つの谷の合流点に着く。ここには僅かながら水が流れており、最後の水場である。
旧積岩山への登山道は、この合流点から左の谷を少し登ったところで尾根に取り付く。しかし今回は、新たな積岩山への最短ルートである岩茸越(いわなばごし)へ通じる古道、地形図の破線の道を辿ってみることにする。
三つの谷の合流点から、中の谷沿いに登る。踏み跡はなく、近年、このルートを歩く人はいないようである。途中にかなり古い目印が一つあり、何となくほっとする。
左の尾根に露岩が現れるとそのすぐ先で、古い杣道に出合う。ここは数年前、岩茸越から下ってきたところである。その時は、杣道から旧積岩山への登山道へ迂回した。
杣道を左へ少し進み、地形図の破線の道に沿うように登るが、地形を見ながら登りやすいところを進む。踏み跡はなく、地図とコンパス、それにGPSで現在位置を確認しながら登る。
ルート図のAから岩茸越までは、地図の破線からかなり離れたところを歩いたが、現地の地形の状況から判断すると、今回歩いたルートの方が合理的であり、古道も今回と同じラインを通っていたのではなかろうか、と思ったところである。
破線の道筋には自然林やスギ林が入れ替わり現れるが、ヤブ状のところはなく、ある程度の見通しも利いて、登るのに支障はない。やがて石灰岩が現れると、ほどなく岩茸越に着く。
地形図にある破線の古道に危険なところはなく、数カ所の道標と目印をつければ、新たな積岩山への登山道として復活できそうである。
このルートについては、泉・五家荘登山道プロジェクトの皆さんにお繋ぎし、新たなルートとしての可能性について、検討をしていただきたいと思っている。
以前、積岩山などの山名調査でお伺いした、地元の山に詳しい方の話では、昔は久連子からこの古道を歩いて岩茸越周辺までコバ作(焼き畑)に通っていたそうで、自然林の中に点在する現在のスギ林は、そのほとんどがコバ作跡とのことである。
積岩山の山頂には、板で作られた当座の山頂標識と旧積岩山から移設された標識が立てられている。
積岩山から岩茸越へ引き返し、久連子への分岐を経て、旧積岩へ向かう。稜線を覆っていたスズタケは完全に枯れて見通しはよくなっているが、地肌が露出している所もあって土砂の流亡が起きはしないかと気がかりである。
旧積岩には「岩茸山」の標識が立てられている。この山名は、昨年五家荘で作られた登山地図によるものであるが、「岩茸山」の山名については、地元でさらに検討が行われるそうであり、別の山名に変更される可能性もある。
旧積岩山から稜線を蕨野山へ向かう。アップダウンは少なく、登山道を覆っていた倒木の枝も枯れて、ずいぶん歩きやすくなた。
蕨野山の山頂には旧蕨野山(鷹巣山)から移設された標識が立てられている。
蕨野山から緩やかに下って登り返すと鷹巣山に着く。山頂には、古い欠けた標識が石の上に置かれているだけである。
積岩山、蕨野山の山頂には応急的に旧山頂から標識が移設されているが、記載されている標高値が異なるなどの矛盾もあり、鷹巣山を含め、できるだけ早く新たな山頂標識を立てていただくように地元にお願いしたいと思っている
鷹巣山から北方向へ下り、林道菊池人吉線へ向かう。踏み跡はないがしばらく下ると目印が現れ、シカよけネットまで続く。
ルートは広い尾根を下っており、目印を見失わないように進む。自然林からスギ林になり、さらに下るとシカよけネットに出合う。
ネットの入り口は、ネットに沿って右へ30mほどのところにあり、ヒモで結ばれたネットを開けて中に入り同じようにネットを閉めて結ぶ。ネットの中は若いスギ林で作業道を下る。途中にもネットを通過するところがあり、ここも同じようにネットを開けてまた結ぶ。さらに下るとネットの出口に着く。ここもネットを開けて閉める。
ネットから続く椎茸の原木、コナラ林の中をさらに下ると林道に出合う。そこからは林道を歩いて出発地点に戻った。
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三角点
旧積岩山にある三等三角点の点名は「石楠越」となっていて、なぜ、と思う。旧積岩山と石楠越間は直線で東へ3.2kmほど離れ、その間には鷹巣山の三等三角点もある。「○○越」など近くの地名を三角点の点名にするのであれば、旧積岩山の西300mには古道の岩茸越があるのに???。
なお、鷹巣山にある三等三角点の点名は「上小野」である。
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