この日の下山口(猫谷川新道登山口)

宝満山(829m)〜仏頂山(868.7m) 福岡県

筑紫野市吉木から見た宝満山

釣船岩

落ち始めたマタタビの実(虫えい果)

2010年9月10日

 筑紫野市本道寺の北にある林道沿いの登山口から、シラハケ
尾根を経て宝満山頂へ。
 帰りは仏頂山から長崎鼻を巡り、猫谷川新道を下って登山口
に戻った。
 距離は8.2km、所要時間は4:50であった。

 宝満山の南面から入山するときは、谷沿いのルートを登り尾根
を下ることが多いが、今回はその逆を歩いてみた。

 登山口から堤谷(注:地元の呼び名は提谷・ひさげだに)ルート
を200mほど遡ったところから、シラハケ尾根に取り付く。
 尾根道は明瞭で、危険なところはない。ルートは中腹を過ぎた
あたりから、谷へ向かって下り、「百日絶食記念碑」の前で同じ
登山口から登ってくる堤谷ルートと出会う。

 出会い地点から、剣の岩を経てキャンプセンターへ向かう。帰
りに下る「猫谷川新道」への分岐を確認して先へ進む。途中には
山岳宗教に由来する道や
主要登山道を結ぶ連絡道などが複雑に分岐して迷路のよう感じ
るが、各分岐点には道標がある。

 キャンプセンターからは、ひと登りで宝満山の山頂に着く。山頂
にはススキの穂が出ていて、秋の風情。

 宝満山から仏頂山を経て長崎鼻へ向かう。長崎鼻で縦走路と
別れ、「普池の窟」へ下る。
 縦走路の分岐点に道標はないが、踏み跡は明瞭で自然林の
中を順調に進む。

 「普池の窟」は大きな岩窟で清水が流れ出しており、説明板に
よると、中には石仏が祀られ広さは15畳ほど。

 「普池の窟」から「金の水」を経て「猫谷川新道」へ向かう。「金
の水」も大岩の下から清水が流れ出していて、両手で口に含む
と冷たくて旨い。

 「金の水」からほどなく往路に出会い、そのすぐ先で「猫谷川新
道」に入る。大きな岩が連なる谷筋の道を慎重に下る。
 途中には、小さな滝が幾つも現れ、谷筋の道から人工林に入
ると下山口は近い。
 下山口で林道に出会い、林道を北東へ600mほど歩いて登山
口に戻った。

☆☆☆ 一つの谷に二つの名称 ☆☆☆

「提谷:ひさげだに」と「堤谷:つつみだに」


今回の登山口は、「堤谷」ルートの登山口と同じである。この「堤
谷」の名称は、登山者のあいだでは広く使われており、現地の案
内板にも記載されている。
 しかし、「堤谷」は「提谷:ひさげだに」とも言われており、以前か
ら気になっていた地名である。

 この二つの地名について、最近いろいろな所に尋ねてみた。そ
の結果、「提谷」の文字を使い、「ひさげだに」と読んでいるのは
地元と竈神社、ならびに筑紫野市役所である。

 今回確認した提谷の名称が記載されている刊行物は次のとおり
である。
 竈神社作成の「宝満山史跡地図」の裏面に記載されている、宝
満山の登山案内「登ってみませんか宝満山」には「提谷」と表示
されている。
 森弘子著、葦書房発行の「宝満山歴史散歩」によれば、この渓
流一帯を提谷というが、この渓流を登る登山道が最近人気のコ
ースとなり、この道は「堤谷新道といわれている。
と記載されてい
る。
 さらに、西日本新聞社発行の「福岡の山といで湯」にも「提谷」
と記載されている。

 一方の「堤谷」の名称はどのようにして生まれ広まったのか、
福岡県の登山事情に詳しい方や西日本新聞社に伺ったところ、
次のような説明をいただいた。

 「提谷」ルートが拓かれて、最初に紹介されたルート図に「提谷」
ではなく「堤谷」と記載されたのが始まりで、現在もなお登山者の
あいだで使われているのであろう、とのことであった。
 では、なぜ「堤谷」と表示されたのかについては、不明である。

猫谷川新道沿い 花乱の滝

普池の窟

クマヤナギの実

百日絶食記念碑

剣の岩

ゲンノショウコ

登山口

イヌホウズキ

ニシキゴロモ(季節はずれの開花)

剣の岩から見た宝満山頂

仏頂山山頂

ツリフネソウ

カリガネソウ 

経路概念図 クリックで拡大

金の水

ススキの穂が出た宝満山山頂

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