岩宇土山(1347m) 熊本県

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尾根の岩峰から見た上福根山


鷹の巣山〜積岩山の稜線




2010年2月20日

 八代市泉町久連子平岩にある登山口から山頂を経てオコバ谷へ周回した。
距離は8.7km、所要時間は6:45であった。

 今日の目当てはフクジュソウ。事前の情報では、花は見頃とのこと。しかし、登山道は一部が崩壊しており、積雪もあるとのことでアイゼンを携行する。

 登山口では、青空にツッピー、ツッピーとシジュウカラのさえずり。小鳥たちは恋の季節を迎えたようだ。
 標高が900mを越えるあたりから雪が現れ、北斜面の林床は一面真っ白。登山道は尾根筋で雪は薄く、歩くのに支障はない。

 途中にある石仏の前で一息入れ、尾根と分かれて山腹の急坂を登る。鍾乳洞の周辺では、ジンチョウゲの仲間オニシバリの花が咲き、顔を近づけると良い香り。

 鍾乳洞のすぐ上で、先ほどの尾根に戻る。山頂へは尾根を東に進むが、西へ40mのところに岩峰があり、絶好のビューポイント。岩峰からは、条件が良ければ雲仙の平成新山が見えるそうであるが、この時は霞んでその山影を見ることはできない。
 北に目を向けると、五葉松の枝の先に霧氷を纏った上福根山が見え、南には鷹の巣山から積岩山にかけての稜線が連なっている。

 岩峰から引き返して尾根を東へ向かい、シカよけネットの先で標高点1347mのポイントを通る。標高点に標識はなく、岩宇土山の山頂標識は、標高点の東80mほどの尾根上にある。

 山頂からは、尾根を北東へ下る。上福根山との鞍部まで下ると、そかがオコバ谷への分岐点で、小さな道標がある。道標に沿ってスギ林の中を北西へ下る。踏み跡は薄いが、今年は目印がついていて、道を見失うことはない。しばらく下ると、伐採跡の開けたところに出る。

 そこから、杣道を南西へ向かう。70mほど進むと、急斜面上部からの土石流で杣道は流失し、進むことは困難。昨年ここを通った時は、小規模の崩壊で通行できたが、今回は危険で通過を断念。

 少し引き返したところから、後続の登山者とともにスギ林の中を北東へ下り、踏み跡に出会って北西に下る。下ること数分で、フクジュソウの群落がある台地状の広場に出る。

 フクジュソウは、早春の柔らかい日射しのなかで花を開いていて、見事な花園である。花園の一部には雪が残り、雪に咲くフクジュソウもなかなかの風情。
 
 今はフクジュソウが咲く台地状の広場は、地元では「しらくえだいら」と呼んでいるそうで、漢字では「白崩平」であろうか。
 白崩平では、以前、農作物の栽培が行われ、トウモロコシの出来が特に良かったそうである。

 白崩平から目印に沿って下る。間もなく明瞭な杣道に出会ってなおも下るとオコバ谷の本流に出会う。本流は2005年に起きた大規模な土石流の跡が残り、注意が必要である。

 本流に沿って下りながら、3回ほどの渡渉を繰り返すと土石流の復旧工事道路に出会う。そこからは工事道路を歩いて登山口に戻った。














オニシバリ


工事道路出会い


自生するオモト




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